日本では太陽のイメージは「陽」で、どちらかというと月のイメージは「陰」と言えよう。
ところが、中東に行くと月が好かれ、太陽は悪役として描かれることが多い。
中東の過酷な自然環境の下では、太陽は人を困らせ、自然を葬り去る激烈な主である。
その一方で月は、おだやかな夜に人々を導く優しさを象徴している。
このように、我々が持っている当たり前の感覚が、異文化世界ではまったく異なることがしばしばある。
自らの基準で決め付けるのではなく、相手の価値観を尊重すること、異文化に接する際の当たり前の第一歩だが、
それでも我々は、このことを忘れて、過ちに入り込むことが多い。
外交に思いを抱く大野もとひろは、常にこのことを戒めるつもりでいます。